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不器用で体力のない私が毎日の食事を豊かにするために工夫していること①お役立ちグッズ編

みなさんにとって「食事」とはなんだろうか。単なる栄養補給、人と話すことを楽しむ時間、ストレス発散、作る過程も含めて楽しい作業など、色々あるだろう。ただ、誰にとっても食べることは「生きるために必要であり、毎日の営みである」ということは同じではないだろうか。

私は基本的に食べることが好きだ。しかし、気分や体調の波、手の動かしづらさなどから、その日によって食事の支度に手間をかけられなかったり、食べられるものが変わったりする。だからこそ食べるまでの手間があまりかからなくて、かつ自分の口に合いやすいものを準備しておきたい。そう思って工夫を重ねてきた。

私が簡便で安全な調理に関心をもつようになったきっかけは心身の不自由さだが、これは忙しい社会人などにも役に立つものだと思う。そこで、今回は私が安全に簡単に少しでも健康的に美味しいものを自分で調理して食べられるように工夫してきたことを、「お役立ちグッズ」「調理の工夫」「簡単レシピ」の3本の記事で紹介しようと思う。この記事では一番最初の「お役立ちグッズ」について紹介する。

私にとっての毎日の食事のハードルと工夫ポイント

私にとって毎日の食事が大変な理由はたくさんある。

まず、一人で買い物に行くことが難しい。それは外に出ること、お店の中で商品を探すこと、重い荷物を持って帰ってくること全てを指す。また、元々の不器用さと薬の副作用による手のこわばり、注意力の欠如や震えから、包丁で野菜の皮をむいたり、火を使ってやけどしたり消し忘れたりすることが怖く、できる調理方法や使える食材に限りがある。

一方で、長く病院やグループホームで生活する中で、「またこのメニューが出てきた」というルーティン化された食事は非常に苦痛だった。自分で食事を用意するようにしたところ、炭水化物ばかり食べるようになってしまい、健康を害してしまった。なので、飽きずに色々な食材やメニューを食べられて、かつ、私にも安全に楽しく調理できる道具やレシピがないか、探究することになったのだった。

私にとって体調の波や買い物の難しさはどうにもできないものである。同時に、調理に関しては道具や方法に関して工夫の余地があった。私でも扱える調理器具を揃えて、私でもできる簡単なレシピを見つけることで料理を身近にしようとしてきた。変えられないことにこだわらず、変えられるところを見つけて少しでも暮らしを豊かにする。これは料理に限らない生き方のコツかもしれない。

料理を身近にする「お役立ちグッズ」たち

さて、料理に関するお役立ちグッズは調理、食品の保存、食品や調理器具の収納など色々あるが、今回は調理に関して「これを買ってから私が自炊をしやすくなった」と感じているお役立ちグッズを4つ紹介する。

レンジ調理鍋

鍋料理、煮込み料理、炊き込みご飯、パスタ、なんでもできる優れもの。湯切り穴がついているのも便利なポイント。(通販サイトより画像借用)

なんといっても電子レンジ調理の魅力は、加熱中に火の番をする必要がなく、他のことをしていられること、料理をしていることを忘れてしまっても火の不始末などの危険がないことにある。その利点を最大限生かせるのが、この電子レンジ調理鍋だ。

インスタントラーメンに野菜をたっぷり乗せたり、カット野菜と肉で鍋にしたり、切干大根を作ったり。容量1.5リットルというだけあって、この鍋一つで炭水化物、たんぱく質、野菜のすべてが取れる料理が作れる。また、調理器具としてだけでなく、このまま食卓に運んで食器としても使える優れものだ。

電子レンジ調理器 ご飯一合炊き

簡単においしく炊けるのはもちろん、洗うパーツが少ないのも大きなメリット(通販サイトより画像借用)

こちらは100円ショップで購入したレンジでご飯が炊ける炊飯器。1合ずつ炊けるので、いつでも炊き立てが食べられる…と言ってみたが、実は私は炊飯器を持っておらず、これでしかお米を炊けない。炊飯器は置くスペースの問題もあるが、私は注意力が弱く、炊飯器の蒸気口まで洗うのを忘れてしまってカビを生やすだろうと思うし、疲れやすいので洗うパーツが多いこと自体がしんどい。そのため、蓋と本体だけ洗えば良く、しかもプラスチック製で軽いこちらの製品は私にうってつけなのだ。

使い勝手としては、時々レンジの中で吹きこぼれたり、少し柔らかくできてしまったりすることはあるが、大きな失敗をしたことはなく快適に使用できている。レトルトのお米ではなく、生米から炊飯できるようになったことでだいぶ費用も抑えられるようになり、良いことづくしである。

CAROTE 耐熱ミトン

蒸気にも熱湯にも高温にも負けず、しっかりつかめる(通販サイトから画像借用)

私はこのミトンに出会うまで、いろいろなミトンを使用しては失敗してきた。一般的な布製のミトンを使ったら、熱湯の入った器をうっかり傾けてやけどをした。それで熱の伝わりにくい、指先だけ覆うシリコンミトンを試したが、私は握力が弱いためうまく力が入らなかった。そんな「帯に短したすきに長し」の状態を解決してくれたのが、このシリコン製耐熱ミトンである。

手のひら全体をつかってしっかりつかむことができるうえに熱も通さないし、少し熱いものがこぼれてもガードしてくれる。熱さに驚いてお皿を落とすこともなく、安全性と安心感の両方が大きく高まった。

タテ型(I字)ピーラー

刃の部分がうまくしなって野菜の凸凹にフィットしてくれる(通販サイトより画像借用)

私は手のこわばりと元々の不器用さがあり、果物の皮むきで勢いがつきすぎて全治3週間の怪我をしたことがある。なので、包丁は上から下に縦にものを切ることにしか使えないし、ピーラーも使えない。ただ、そうすると丸い形状の食材は一切使えない。そのことに悩んでいた時に見つけたのがタテ型(I字)ピーラーである。これは使用するときに自分の皮膚の方向に刃が向くことがないので、手を切ってしまうリスクがとても少ない。これによって人参やじゃがいもが使えるようになり、作ることができる料理のレシピの幅がかなり広がった。

まとめ

食事は毎日の営みだからこそ、無理せずストレスなく続けられることが大事だと思っている。便利な道具は自炊に取り組むにあたって、けがの心配の少なさ、加熱中に火の番をしなくていい気楽さ、洗い物の少なさなど、料理のハードルをかなり下げてくれている。そして、「私にも料理ができるんだ」という自己効力感もあげてくれている。

料理に関するお役立ちグッズ探しをして気づいたこと。それは、意外と自分が持っている困りごとは、困っている背景は違っても他の人も持っていてそれを解消するアイデアやグッズは世の中にあるということだ。これからもそんな知恵を集めて生きやすさを築き上げていきたいと思っている。

ABOUT ME
1992年生まれ。公衆衛生学と社会福祉学を学んだ、精神障害当事者ライター兼リサーチャー。隔離・拘束を含む10回以上の入院や障害者グループホームでの5年半の生活の経験を通じて精神科医療や障害福祉について考えたこと、日々の暮らしの幸せや工夫などについて思いを綴っている。